Gemini導入

Gemini for Google Workspaceの料金・プラン比較|自社に合う選び方

公開日:2026.09.20

「Geminiを社内で使いたいが、どのプランを契約すればいいのか分からない」。プラン比較表を開いても項目が多く、どこがGeminiの差なのか読み取れずに手が止まっていないでしょうか。

結論から言うと、Geminiは現在すべてのBusiness・Enterpriseプランに標準搭載されており、「Geminiを使うために何かを追加購入する」必要はありません。判断すべきは「Geminiの有無」ではなく「どのWorkspaceプランを選ぶか」です。

この記事では、2026年9月時点の公式情報をもとに、プラン別の料金と機能差、10名・30名・100名での費用試算、そしてライセンス費以外にかかる総コストまでを、稟議にそのまま使える形で整理します。

まず押さえる結論:選ぶのはプランであってGeminiではない

2025年1月、GoogleはGeminiをWorkspaceの各プランに標準搭載する方針を発表し、同年3月17日の料金改定で適用されました。それまで別売りだった「Gemini Business」「Gemini Enterprise」といったアドオンは、現在新規購入できません

この変更のインパクトは金額で見ると分かりやすくなります。

時期契約内容1人あたり月額
2025年3月より前Business Standard + Geminiアドオン約3,600円(1,360円+2,260円)
2025年3月以降Business Standard(Gemini込み)1,600円

かつてGeminiを業務利用するには、Workspaceの料金に加えて1人あたり月2,000円超の上乗せが必要でした。現在は、改定による値上げ分(Business Standardで月240円前後)を負担するだけで、同等の機能が使えます。

つまり多くの企業では、すでに支払っている月額のなかにGeminiの費用が含まれています。「Geminiを導入するための予算」を新たに確保する必要はなく、検討すべきは次の2点に絞られます。

  1. 現在のプランで、必要なGeminiの機能が使える状態になっているか
  2. 使える状態になっているなら、なぜ社内で使われていないのか

1つ目はこの記事で、2つ目は生成AI研修の設計の話になります。

Gemini for Google Workspaceの料金一覧(2026年9月時点)

Google Workspaceの料金は、契約形態によって2種類に分かれます。1年契約で月々支払う「年間プラン(年間/固定期間プラン)」と、月単位で契約する「フレキシブルプラン」です。

プラン別の月額料金

プラン年間プラン
(月額/1ユーザー)
フレキシブルプラン
(月額/1ユーザー)
ストレージMeet参加人数
Business Starter800円950円30GB100人
Business Standard1,600円1,900円2TB150人
Business Plus2,500円3,000円5TB500人
Enterprise Standard要問い合わせ
(目安3,060円)
要問い合わせ
(目安3,670円)
5TB〜1,000人
Enterprise Plus要問い合わせ
(目安3,980円)
要問い合わせ
(目安4,760円)
5TB〜1,000人

Business Starter・Standard・Plusは最大300ユーザーまでという上限があります。Enterpriseの各プランにユーザー数の上限・下限はありません。Enterpriseの料金は公式サイトでは非公開で、営業担当または販売代理店への問い合わせが必要です。上表の目安は代理店が公開している金額であり、実際の見積もりは条件によって変わります。

年間プランとフレキシブルプランの差

Googleは年間プランを「1年契約なら16%お得」と案内しています。実際の差額を人数別に計算すると次のようになります。

プラン1人あたり年間差額10名の場合30名の場合100名の場合
Business Starter1,800円18,000円54,000円180,000円
Business Standard3,600円36,000円108,000円360,000円
Business Plus6,000円60,000円180,000円600,000円

12か月使い続ける前提なら、年間プランを選ばない理由はほとんどありません。一方でフレキシブルプランには、月単位でユーザー数を増減できるという利点があります。次のようなケースでは検討する価値があります。

なお、年間プランでも契約期間中にユーザーを追加することは可能です。減らせないだけなので、「最小構成で年間契約し、増える分は都度追加する」という組み方が現実的です。

新規契約の割引について

Googleは新規顧客向けに、最初の3か月間を最大50%オフとするキャンペーンを断続的に実施しています。ただしこれは初期の一定ユーザー数・一定期間に限られる条件付きの価格です。稟議の費用試算は、割引後の標準料金で作成してください。 割引価格で計画を立てると、4か月目以降に想定外の増額として跳ね返ります。

プラン別に使えるGeminiの機能差

料金表だけでは、プランを上げて何が増えるのかが分かりません。Geminiに関する差は、大きく次の3点に整理できます。

差1:Geminiが使えるアプリの範囲

最も大きな分岐は、Business StarterとBusiness Standardの間にあります。

項目Business StarterBusiness Standard以上
Gmailの作成・要約支援
Geminiアプリ(チャット)○(基本モデル)○(高性能モデル)
ドキュメント・スプレッドシート限定的
スライド・Vids(動画生成)限定的
Meetの自動メモ・要約×
ドライブ内のファイル横断の要約限定的
扱える文脈の長さ短い長い(長文資料の一括処理が可能)

Business Starterは「メール業務のAIアシスタント」と考えるのが実態に近く、資料作成・会議・データ集計まで含めた業務活用には向きません。全社でGeminiを使う方針なら、Business Standardを下限に据えてください。

差2:利用上限(1日・1か月あたりの回数)

Geminiの各機能には、プランごとに利用上限が設定されています。画像生成の回数、Deep Research(詳細なリサーチ)の実行回数、音声解説の生成回数などがこれにあたります。

Business Starterは1日あたりの回数が小さく設定されており、混雑時には利用が制限される場合があります。Business Standard以上では上限が大きく引き上げられ、日常業務で上限を意識する場面はほとんどなくなります。

なお具体的な回数は改定が頻繁なため、契約直前に管理コンソールまたは公式ヘルプで最新値を確認することをおすすめします。この記事の数値も、確認時点のものとして扱ってください。

差3:セキュリティ・統制機能

Geminiそのものの機能ではありませんが、生成AIを全社展開するときに効いてくるのがこちらです。

機能StandardPlusEnterprise
Vault(データ保持・検索・書き出し)×
高度なエンドポイント管理×
DLP(情報漏えい防止ルール)×一部
データリージョンの指定××
セキュリティセンター・高度な監査××

生成AIの社内利用では「何を入力してよいか」のルール整備が不可欠です。ルールを文書で配るだけでなくシステム側で担保したい場合、DLPやVaultが使えるBusiness Plus以上が選択肢に入ります。金融・医療・自治体案件など、監査対応が求められる業種ではEnterpriseが前提になることも珍しくありません。

Workspace Studio・NotebookLMの扱い

2026年に入って業務自動化の文脈で注目されている「Workspace Studio」は、公式ヘルプによるとBusiness Starterを含む主要エディションで利用できます(管理者による有効化が必要)。上位プラン専用の機能ではありません。

NotebookLM(Gemini Notebook)についても、Business Standard以上で実務に耐える範囲の機能が使えます。「自動化やナレッジ活用のために上位プランが必要」という説明を受けた場合は、根拠となる機能名を確認してください。

上位アクセスのアドオン「AI Expanded Access」

標準搭載されたGeminiの上限では足りない場合に追加できるのが、2026年に提供が始まった「AI Expanded Access」アドオンです。

項目内容
対象エディションBusiness Standard/Business Plus/Enterprise Standard/Enterprise Plus
主な内容画像・動画生成、AI関数、スライド生成、リアルタイム音声翻訳などの上限引き上げ
価格公式の公開価格なし。年間契約で1ユーザーあたり月20ドル前後とされる
契約単位必要なユーザーにのみ付与可能

重要なのは、これが全社に必要なものではないという点です。上限に達するのは、画像・動画を大量に生成するクリエイティブ部門や、スプレッドシートのAI関数を大規模に回すデータ部門など、限られた職種です。

なお、従来の上位アドオン「AI Ultra Access」は2026年5月に新規購入が終了し、既存契約はAI Expanded Accessへ移行する扱いになりました。アドオンの構成は改定が続いている領域のため、見積もり時点での最新仕様を代理店に確認してください。

進め方としては、まず標準搭載の範囲で3〜6か月運用し、実際に上限に当たった部署を特定してから必要人数分だけ追加するのが無駄がありません。最初から全社に付ける必要はありません。

人数別の費用試算

ここまでの料金をもとに、年間プランでの年間ライセンス費を計算します。すべて税抜・1年分(月額×12か月)です。

10名の場合

プラン月額合計年額合計
Business Starter8,000円96,000円
Business Standard16,000円192,000円
Business Plus25,000円300,000円

30名の場合

プラン月額合計年額合計
Business Starter24,000円288,000円
Business Standard48,000円576,000円
Business Plus75,000円900,000円

100名の場合

プラン月額合計年額合計
Business Starter80,000円960,000円
Business Standard160,000円1,920,000円
Business Plus250,000円3,000,000円
Enterprise Standard(目安)306,000円3,672,000円

プランを1段階上げるといくら増えるか

稟議で問われるのは総額よりも「差額」です。

変更1人あたり月額差30名の年間差額100名の年間差額
Starter → Standard+800円+288,000円+960,000円
Standard → Plus+900円+324,000円+1,080,000円

Business StandardからPlusへの引き上げは、30名で年32万円ほどの増額です。これはVault・DLPといった統制機能に対する投資であり、Geminiの機能を増やすための費用ではありません。目的を取り違えないでください。

投資を回収できる水準

1人あたり月1,600円(Business Standard)の妥当性は、時間削減で検算すると判断しやすくなります。

人件費を時給3,000円と仮定すると、1人が月に32分を取り戻せば損益分岐です。メールの下書き、議事録の整形、資料のたたき台作成をGeminiに任せれば、月32分は決して高いハードルではありません。

ただしこれは使われた場合の計算です。社内の利用率が3割にとどまれば、実質の負担は1人あたり月5,333円相当まで跳ね上がります。コストを決めているのはプランではなく利用率だという点は、後述します。

ライセンス費以外にかかる総コスト

見積もりをライセンス費だけで組むと、導入後に「聞いていない費用」が出てきます。総コストとして見込んでおくべき項目は次のとおりです。

費目発生タイミング見込み方
ライセンス費毎月人数×月額×12
既存ツールとの重複毎月Web会議・ストレージ・個別のAI契約を棚卸しして削減
データ移行初期他グループウェアからの移行時のみ。自社対応か外注かで大きく変動
管理者設定・ルール整備初期有効化、組織単位の設計、入力ルールの策定
研修・定着支援初期〜半年最も見落とされやすい費目
上位アドオン必要に応じて特定部署のみ。3〜6か月運用してから判断

重複コストは差し引ける

見積もりを下げる余地があるのは「重複」です。Business Standard以上にはMeetの録画、2TBのストレージ、共有ドライブが含まれます。別契約しているWeb会議ツールやクラウドストレージ、個人契約の生成AIサービスがあれば、プラン変更と同時に棚卸ししてください。

個別に契約されている生成AIの有料プランは特に見落とされがちです。 部署ごとに月数千円の契約が点在しているケースは珍しくなく、Workspaceに集約するだけで差額の一部を吸収できます。

本当のコストは「使われないこと」

30名でBusiness Standardを契約すると年間57.6万円です。全員が日常的に使えば安い投資ですが、実際には契約から半年たっても一部の人しか使っていないという状態が各社で起きています。

利用率別に、1人が実際に使った1回あたりのコストを試算すると次のようになります(30名・Business Standard・1人が使う日は平日20日/月と仮定)。

社内利用率実際に使う人数1人あたりの実質月額
100%30名1,600円
50%15名3,200円
30%9名5,333円
10%3名16,000円

プラン選定で削れるのはせいぜい数十万円ですが、利用率が10%と100%では実質コストが10倍変わります。費用対効果を決めているのはプランではなく利用率です。詳しくはITリテラシー格差を埋めるGemini研修で解説しています。

自社に合うプランの選び方

判断を3つの軸に絞ります。上から順に確認してください。

軸1:Geminiをどの範囲で使うか

ここで迷う企業はほとんどありません。全社活用が前提なら、Business Standardが実質的な下限です。

軸2:統制をシステムで担保する必要があるか

「念のため上位プラン」は費用の無駄になりがちです。要件を挙げ、それが実現できる最小のプランを選んでください。

軸3:人数と成長性

ケース別の推奨

状況推奨プラン理由
10名前後・まず生成AIを試したいBusiness Standard(年間)Starterでは業務活用の検証にならない。10名なら年19.2万円で全機能を評価できる
30名・全社でAI活用を進めたいBusiness Standard(年間)費用対効果が最も高い帯。統制は管理者設定とルールで対応
50〜100名・個人情報を扱う業務が多いBusiness PlusDLPとVaultで入力統制と監査証跡を確保
100名超・監査対応が必須の業種Enterprise Standard以上データリージョン指定と高度な監査ログが必要
人数が月ごとに変動するStandard(フレキシブル)年3,600円/人の割高分を、増減の自由度で回収

契約前に確認したい5つのチェックポイント

見積もりを受け取ったら、次の5点を確認してください。

  1. 提示額は年間プランかフレキシブルプランか。 Business Standardなら1,600円と1,900円のどちらで計算されているかを確認します
  2. 割引価格が含まれていないか。 新規向けの3か月割引が反映されていると、4か月目以降に増額します
  3. アドオンが含まれていないか。 Geminiを使うために追加購入が必要だという説明があれば、その機能名を確認してください。標準搭載の範囲で足りる可能性が高いです
  4. 重複しているツールの契約を棚卸ししたか。 Web会議・ストレージ・個別の生成AI契約が対象です
  5. 研修・定着の費用が計画に入っているか。 ライセンスだけを承認すると、使われないまま次年度の更新を迎えます

5つ目が抜けた稟議は、翌年の更新時に「効果が見えない」という指摘を受けやすくなります。導入時点で、利用率をどう測り、誰が推進するかまでを一緒に決めておいてください。

契約後にやることを先に決めておく

プランが決まったら、稼働までの流れは次のようになります。ライセンス契約はこの1番目にすぎません。

  1. プラン契約・ユーザー登録
  2. 管理コンソールでGeminiを有効化(組織単位で段階的に開けることも可能)
  3. 入力してよい情報の範囲を決め、社内ルールとして文書化する
  4. 部門ごとに対象業務を選び、使い方の型をつくる
  5. 利用状況を確認し、使われていない部門に手を入れる

3番目を飛ばすと、慎重な社員ほど使いません。「顧客名を入れてよいのか」「未公開の資料を貼ってよいのか」に答えがない状態では、判断を保留するのが合理的な行動だからです。Googleは生成AIに入力したデータの扱いを「生成 AI に関するプライバシー ハブ」で公開しているため、これを根拠に自社のルールを組み立ててください。

4番目・5番目については、Gemini企業研修の費用相場と選び方で、外部に依頼する場合の相場と判断基準を整理しています。

まとめ

料金表を読み解く作業は、ここまでで終わりです。次に決めるべきは「契約した状態を、どうやって成果に変えるか」になります。自社の業務に当てはめた進め方を相談したい場合は、お気軽にお問い合わせください。

よくある質問

Gemini for Google Workspaceを使うのに追加料金は必要ですか?

不要です。2025年3月17日の料金改定以降、Geminiの機能はGoogle WorkspaceのBusiness・Enterprise各プランに標準で含まれています。かつて存在した「Gemini Business」「Gemini Enterprise」といったアドオン(月額2,260円前後)は新規購入できません。追加費用が発生するのは、利用上限を引き上げる「AI Expanded Access」アドオンを別途契約する場合だけです。

Business StarterでもGeminiは使えますか?

使えますが範囲が限られます。Business StarterはGmailのAIアシスタントとGeminiアプリの基本的な利用が中心で、ドキュメント・スプレッドシート・スライド・Meetなど各アプリに組み込まれたGeminiや、高性能モデル・長いコンテキストの利用はBusiness Standard以上が対象です。全社で業務活用を進めるならStandard以上を前提にしてください。

年間プランとフレキシブルプランはどちらが得ですか?

12か月使う前提なら年間プランです。Business Standardの場合、年間プランは月額1,600円、フレキシブルプランは月額1,900円で、1人あたり年3,600円の差になります。30名なら年間10万円以上の差です。ただしフレキシブルプランは月単位で人数を増減できるため、人数変動が激しい組織や試験導入では選ぶ意味があります。

Enterpriseプランの料金はいくらですか?

Googleの公式サイトでは金額が非公開で、営業担当または販売代理店への問い合わせが必要です。代理店が公開している目安では、年間プランでEnterprise Standardが月額3,060円前後、Enterprise Plusが月額3,980円前後とされています。Businessプランは300ユーザーまでという上限があるため、それを超える組織はEnterpriseが前提になります。

プランを上げれば社内でGeminiが使われるようになりますか?

なりません。上位プランで増えるのは機能と上限であり、利用率ではありません。実際に費用対効果を下げている最大の要因は、プラン選定の誤りではなく「契約したが使われていない」状態です。ライセンス費と同時に、業務に紐づけた使い方の設計と社内ルールの整備を予算化することをおすすめします。

自社の業務でGeminiを使いこなしたい方へ

鶴屋では、貴社の実業務を教材にしたGemini研修と、定着までの伴走支援をご提供しています。「まず話を聞きたい」だけでも歓迎です。

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出典

  1. Google Workspace「柔軟な価格プラン オプションの比較」
  2. Google Workspace 管理者ヘルプ「Google Workspace サブスクリプションに Gemini AI 機能が追加されました」
  3. Google Workspace ヘルプ「AI Expanded Access」
  4. Google Workspace Updates「Get higher access to advanced AI in Google Workspace」
  5. Workspace Studio ヘルプ「Workspace Studio へのアクセス」
  6. Google「Google Workspace の生成 AI に関するプライバシー ハブ」

執筆者

鶴田 基文(つるた もとふみ)/AI活用パートナー

AI関連企業の営業として、中堅・大企業のマーケティング部門に対する生成AI活用の提案に従事。現場の「何に活用できるのか分からない」という声を数多く聞いてきました。現在は企業向けのGemini研修・活用支援を専門とし、Google Workspaceを前提に、研修の実施だけでなく、入力ルールの整備や定着状況の測定、Google Workspace Studioによる自動化までを一貫して支援しています。