業務活用ノウハウ

Geminiのプロンプトの書き方|業務で使えるテンプレートと改善のコツ

公開日:2026.10.11

Geminiのプロンプトの書き方|業務で使えるテンプレートと改善のコツ

Geminiに仕事を頼んでも、内容が一般的すぎる、文章の雰囲気が合わない、欲しい形で返ってこないことがあります。その場合は、誰として、何を、どのような背景で、どの形式にしてほしいかという情報が足りているかを確認してください。

Google Workspace公式ブログは、効果的なプロンプトを考える主な要素として「ペルソナ」「タスク」「コンテキスト」「形式」を挙げています。Geminiアプリの公式ヘルプでは、毎回すべてを含める必要はないと説明されています。まず目的を伝え、回答を見ながら不足している情報を足して調整します。

プロンプトを構成する4要素

この記事では、プロンプトを「Geminiへの依頼文」と捉えて説明します。決まった命令文を暗記するのではなく、してほしい作業と判断に必要な情報を言葉にしてください。

Google公式が示す主な4要素は、次のとおりです。

要素伝える内容書き方の例
ペルソナどの立場・視点で考えるかあなたは法人営業の担当者です
タスク何をしてほしいかお客様への返信メールを作成してください
コンテキスト背景、対象、目的、材料相手は初回商談後のお客様です
形式どの形で出してほしいか件名と本文を分け、丁寧な敬語で書いてください

ペルソナは判断の視点を揃える

「人事担当者として」「法人営業の担当者として」のように役割を指定し、どの立場から回答してほしいかを伝えます。役割に続けて、実際にしてほしい作業も書きます。

タスクは動詞で具体的に書く

「メールについて」ではなく、「メールの返信案を作成してください」のように、作成・要約・比較・分類などの動作を明確にします。複雑な仕事では工程を分ける方法も、Google Cloudのプロンプト設計ガイドで紹介されています。

コンテキストは判断に必要な材料を渡す

同じメール作成でも、相手、目的、現在の状況によって必要な内容は変わります。対象者、背景、必ず含める事実、避けたい表現を伝えてください。元になる文章や会議メモがある場合は、鶴屋では「この内容だけを使う」と指定し、回答と照合する材料を限定する方法をおすすめします。

Claude公式のプロンプトガイドでも、指示の背景や目的を説明することが勧められています。これはClaude向けの案内ですが、「何をしてほしいか」だけでなく「なぜ必要なのか」も伝える考え方は、Geminiへの指示を具体化するときにも参考になります。

形式は完成形を具体的に示す

箇条書き、表、メール、チェックリストなど、必要な形を指定します。「短く」だけでなく、「要点を3つの箇条書きで」のように完成形を具体的に伝えます。

そのまま使える基本テンプレート

次のテンプレートの角括弧を、自分の業務に合わせて置き換えてください。すべてを埋める必要はありません。

あなたは[役割]です。
[してほしい作業]をしてください。
目的:[何のために使うか]
対象:[誰が読む・使うか]
背景・材料:[判断に必要な情報]
条件:[文字数、文体、含める内容、避ける内容]
出力形式:[表、箇条書き、メールなど]
参考例:[希望する文章や完成形の例]
材料にない情報は推測せず、「要確認」と記載してください。

最初から完璧な指示にする必要はありません。まずタスクと材料を渡し、回答が合わなければ対象者や形式を追加します。

短い指示を業務で使える指示に直す例

たとえば、次の指示だけでは、相手や目的、文章量が分かりません。

取引先への案内メールを書いて。

4要素を使って具体化すると、次のようになります。

あなたは法人営業の担当者です。初回商談を終えたお客様へ、次回の打ち合わせ候補日を案内するメールを作成してください。
相手は生成AI研修を検討中で、社内の参加人数を確認してから判断する予定です。
丁寧で押しつけない表現にし、件名と本文を分けてください。本文には、お礼、確認事項、候補日、返信してほしい内容を含めてください。
候補日は[候補日を入力]と書き、実在しない日付は作らないでください。

違いは文章の長さではなく、Geminiが回答を作るための情報を具体的にしている点です。業務では、勝手に補ってほしくない情報を明示し、回答が元の材料から外れていないか確認する方法を鶴屋ではおすすめします。

この例では、回答を受け取ったあとに次の点を確認しましょう。

鶴屋では、指示を具体化するときに、希望する形と確認項目を先に決めることをおすすめしています。最初の回答をそのまま使うのではなく、人が内容を確認して使える状態にするためです。

業務別に使えるプロンプトテンプレート

メールの返信案を作る

あなたは[部署・役割]の担当者です。以下のメールに対する返信案を作成してください。
相手:[顧客、取引先、社内の上司など]
目的:[承諾、日程調整、お詫び、確認など]
必ず含める内容:[内容]
文体:丁寧で簡潔なビジネス文
出力:件名/本文
元のメール:[ここに貼り付け]
元のメールにない事実や日付は追加しないでください。

会議メモを整理する

以下の会議メモを整理してください。
目的は、参加できなかったメンバーが次に何をすべきか分かるようにすることです。
「決定事項」「未決事項」「担当者と期限」「次回確認すること」の順にまとめてください。
担当者や期限が書かれていない場合は、推測せず「記載なし」としてください。
会議メモ:[ここに貼り付け]

提案資料の構成を作る

あなたは法人向けの提案資料を作る担当者です。
[提案テーマ]について、[提案相手]向けの資料構成を作成してください。
背景:[現状と課題]
提案の目的:[相手に決めてほしいこと]
使用できる事実:[確認済みの情報]
各ページについて、タイトル、伝える要点、必要な根拠を表で整理してください。
使用できる事実にない数値や実績は作らないでください。

Geminiの回答が合わないときの直し方

期待した回答が出ないときは、最初から書き直す前に、どの情報が足りないかを確認します。

症状見直す点追加する指示の例
内容が一般的対象者と背景読者は生成AIを初めて使う営業担当者です
長すぎる形式と範囲結論を先に、要点を3つに絞ってください
文章の雰囲気が違うペルソナ、読み手、文体経営層向けに、専門用語を減らしてください
希望する形が伝わらない完成例次の例と同じ構成・文体で作成してください:[参考例]
事実と推測が混ざる使用できる材料と禁止事項添付した資料だけを使い、推測は分けてください
一度に整理できないタスクの分割まず論点だけを抽出し、確認後に文章化してください

Google Cloudのプロンプト設計ガイドでも、具体的な指示、コンテキストの追加、例の提示、複雑な作業の分割、回答を見ながらプロンプトを改善する方法が案内されています。最初の回答で不足している点があれば、次のように追加で伝えてください。

Claude公式ガイドでは、良い回答例を見せることや、「してはいけないこと」だけでなく「どのようにしてほしいか」を書くことも紹介されています。Geminiで使う場合も、「長くしないで」だけで終わらせず、「結論を先に、要点を3つに絞ってください」のように、望む形を具体的に伝える方法が使えます。

内容は変えず、専門用語を減らしてください。

結論を先にし、理由と次の行動を続けてください。

この回答で判断に使った前提を箇条書きにしてください。

業務利用では回答確認までを作業に含める

読みやすい文章でも、事実が正しいとは限りません。Geminiアプリの公式ヘルプでも、生成AIの回答を再確認し、必要に応じてファクトチェックするよう案内しています。

鶴屋では、特に次の情報を人が元資料と照合することをおすすめします。

鶴屋では、社内資料を入力する前に、自社の利用ルールで入力可能な情報かを確認することをおすすめします。プロンプトの書き方とは別に、各社の運用ルールに沿って判断してください。

プロンプトをチームで再利用する

同じ業務で毎回同じ指示を書く場合は、用途、入力する材料、出力形式、確認項目と一緒に保存する方法があります。鶴屋では、利用者ごとに確認手順が変わらない形で共有することをおすすめします。

GeminiアプリでGemを利用できる場合は、繰り返し使う役割や指示をカスタム指示として保存できます。Googleも、Gemを具体的で繰り返し行う指示の再利用に使えるとGeminiアプリの公式ヘルプで説明しています。

鶴屋では、料金や制度など更新される情報を指示文に含める場合、古い内容を使い続けないように管理することをおすすめします。テンプレートやGemに更新日と確認担当者を付け、定期的に見直します。

社内でプロンプトを共有し、業務に合わせた演習まで行う場合は、Gemini研修のカリキュラム例も参考にしてください。

まとめ

プロンプトをチームで使う場合は、実際の業務を題材に練習し、回答の確認手順まで決める方法を鶴屋ではおすすめします。研修の進め方を検討している方は、Gemini企業研修の費用と選び方もご覧ください。

自社の業務でGeminiを使いこなしたい方へ

鶴屋では、貴社の実業務を教材にしたGemini研修と、定着までの伴走支援をご提供しています。「まず話を聞きたい」だけでも歓迎です。

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出典

  1. Google Workspace「Geminiを活用してチームの作業を効率化する11のヒント」
  2. Geminiアプリ ヘルプ「カスタムGem作成のヒント」
  3. Geminiアプリ ヘルプ「生成AIを使ってクリエイティブに学習する」
  4. Google Cloud「プロンプト戦略の概要」
  5. Claude Platform Docs「プロンプティングのベストプラクティス」
  6. Geminiアプリ ヘルプ「Gemの使用方法」

執筆者

鶴田 基文(つるた もとふみ)/AI活用パートナー

AI関連企業の営業として、中堅・大企業のマーケティング部門に対する生成AI活用の提案に従事。現場の「何に活用できるのか分からない」という声を数多く聞いてきました。現在は企業向けのGemini研修・活用支援を専門とし、Google Workspaceを前提に、研修の実施だけでなく、入力ルールの整備や定着状況の測定、Google Workspace Studioによる自動化までを一貫して支援しています。